ここまで、いろいろ説明してきましたが何となくはイメージできました?
そっか・・・
それはよかったです。
それじゃぁ、最後に、飼い主さんたちが一番興味ある、腫瘍を根治、すなわち完全に排除できるのか?
それとも、できないのか・・・
とりあえず、どんな腫瘍なの?
で、説明した、乳腺腫瘍、リンパ腫、脂肪腫、肥満細胞腫について、書いていこうと思います。
これで、最後です。
お疲れさまでした!!
そして・・・
これを、理解していただいたおかげで腫瘍の、早期発見、早期治療ができるだけ多くのワンちゃん、ネコちゃんで可能になることを、願ってます!!
腫瘍によって寿命が違う・・・
みなさんご存じのとおり、そのとおりです。
根治できる腫瘍があれば、できないものもある。
じゃぁ、寿命から何からその他まで、ほんの一部ですが、例をあげて説明していきましょう。
後々、ここも増やしていくつもりなんで、少々、お待ちを~~。
それじゃ、ワンちゃんのリンパ腫はどのくらい寿命が残されているのか??
無治療の場合:4~6週間
ステロイド単独治療の場合:約1~2ヶ月
ドキソルビシン単独の場合:6~9ヶ月
COPの場合:約8ヶ月
CHOPベース多剤併用治療の場合:12~13ヶ月
ステロイド、ドキソルビシンは薬の名前、COP、CHOPは、抗がん剤の組み合わせのことです。
といった具合ですが、他のページでも説明したようにリンパ腫にもステージ分類がありますし細胞によっての内訳、臨床症状が出てるのか、出てないかでももちろん寿命は変わってきます。
猫ちゃんの場合・・・
無治療の場合:1ヶ月くらい
治療した場合の、発生部位による違い。
消化器型
悪性度が高い・・・4~8.2ヶ月
悪性度が低い・・・704日
縦隔型:2~3ヶ月、10%は2年以上生存
多中心型:4.8ヶ月
腎臓型:3~6ヶ月
中枢神経型:3.3ヶ月
鼻腔内:12~14ヶ月
大顆粒球性:20日:現在ではある種の抗がん剤によって1年近く生存可能です。
といった具合になります。
脂肪腫は言わずと知れた、良性腫瘍。
根治が可能です。
寿命にも影響を与えません。
ただ、良性腫瘍でも取り残しがあると再発はします。
浸潤性脂肪腫も基本的には脂肪腫ですけど、筋肉にサシが入ったように浸潤している分、通常の脂肪腫とは違い、拡大切除をしなければ、再発はします。
どんな治療法でも、根拠のない治療法なんて存在しません。
ただ、金銭的な問題、頻繁な通院、治療法によってはワンちゃん、ネコちゃんに負担が全くかからないわけではありません。
診断の結果、悪性腫瘍と言われ、寿命が3ヶ月といわれて・・・。
飼い主さんから泣きながら相談されることもよくあります。
例えば、寿命が3ヶ月だとしても、それはあくまで僕らの時間に換算してのことです。
ワンちゃん、ネコちゃんにしてみれば、1年以上の期間になります。
その間に、もう寿命が少ないから・・・とか
悪性だから・・・とか
人間は、自分の動物に対して決定権を持っていますが動物はどうでしょう。
その間、苦しみます。
食欲も無くなっていきます。
つらい思いをさせながら、ただ生かすのでしょうか?
それは、ちょっとかわいそうですよね。
あくまで、僕自身の持論なんで強制するつもりはありませんが、悪性と分かって、寿命に限りがあっても、他に治療法がなくても、最後までご飯を食べさせてあげたい。
そんな風に考えています。
実際のところ、積極的な治療法でないにしろ効果が出てるのは事実です。
治療する意味について書きましたが、諦めてしまう前にもう一度、一緒に考えてみませんか?
飼い主さんにとっての思いもあると思いますがやってあげられることは、あるはずです。
飼い主さん自身も、ワンちゃん、ネコちゃんも僕自身もハッピーになれる方法を考えましょう。
まだ試合終了のブザーは、なってないのですから。